こんにちは。前回、石州瓦について投稿しましたが・・・
今回は、瓦 『いぶし瓦』の歴史について少し投稿します。
そもそも瓦はいつ生まれたのか?いろいろな説があり、はっきりとした事は
未だ分かってはいませんが、一説では4000年前とも5000年前ともいわれています。
日本に伝わったのは、西暦588年の飛鳥寺の建立時だと言われています。
当時から、瓦は高級品でしたが・・・
瓦の中でも高級品として使われるのが 『いぶし瓦』 です。
『いぶし瓦』の製法が伝えられたのは安土桃山時代、織田信長の命により、
安土城の粘土瓦を制作した際に、粘土瓦を燻して作る造法が伝わったようです。
『いぶし瓦』は、約1100℃以上の高温で均一に焼き締められ、高い耐久性を誇ります。
その独特の色は、焼成後に空気を完全に遮断して 「蒸し焼き」にする「燻化」という
工程において生まれる美しい色調です。そのため、割れた断面を観ると芯までグレー。
これは炭素が粘土素地全体に浸透しているからです。そして、いぶし銀の光沢は
炭素被膜に当った光りの乱反射によるものです。
瓦が伝わった当時は瓦自体が高級品で一般家庭には普及していなかったようです。
江戸時代に入って瓦の形状などが開発され、そして享保5年(1729年)、八代将軍吉宗によ
って普及しました。
普及の理由は、当時江戸の町で問題になっていた火事を防ぐという
目的で民家にも瓦を葺く事が義務づけられ、本格的な普及に至りました。
瓦の歴史も、普及して286年の実績と信頼があります。
近年、屋根素材も色々な素材が使われていている中
今後、この『瓦』がどういう形で日本建築を支えるのか楽しみです。